自ら有機栽培で作った飼料で乳牛を育て、産後100日以内に搾られた栄養価の高い牛乳のみで作られた狂気のパルミジャーノ

何年か前にこのパルミジャーノの生産者のニコラさんが来日してお話しさせていただいたときに僕が訪ねた、
「どうしてこんなとんでもないパルミジャーノを作ろうと考えたんですか?」
という問いに対してニコラさんは
『僕はお金持ちでも有名人でもないけれど、このパルミジャーノは世界中で僕にしか作れない。そのことを僕はとても誇りに思っているし、そんなパルミジャーノを作りたいと思ったんだ』
と答えてくれました。
ご自身のパルミジャーノに関して話しているときのニコラさんの瞳はとても輝いて表情は豊かで、
「あぁ、イタリアの本物の職人って、みんなこんな表情で話すよなぁ。」
なんて思いながら聞いていました。
ber_parmigiano_rms2.jpg
以下、商品ページの説明文です。
説明文が長ければ長いほど、僕の思い入れが強く表れるというのは仕様です。(笑)
至高とか最高とかの言葉ではなく、あえて「狂気」という言葉を選びました。
最初にこのミッレジマートの話を聞いたときは、「マニアックな生産者だなぁ」ぐらいの認識だったのですが、いろいろと調べていくうちになにか狂気にも似たようなものを感じるようになってきました。
もちろん、いい意味での、ですが・・・・
イタリア国内に460社ほどあるパルミジャーノレッジャーノのメーカーの中で、自社農場で乳牛の飼育を行い、100%自社の牛乳でパルミジャーノを生産しているメーカーはわずか3社しかありません。
そのうちの1社が、このベルティネッリです。
1895年創業のベルティネッリを受け継ぐ4代目のニコラさんは、自社のパルミジャーノをさらに進化させました。
約720頭の乳牛を産後100日以内、200日以内、300日以内、妊娠中の4つのカテゴリーに分け、特に栄養価の高い産後100日以内に搾られた牛乳だけを使ったパルミジャーノ「Millesimato ~ミッレジマート~」を2002年に世に送り出したのです。
そして、牛乳の質にこだわるニコラさんは、乳牛の健康状態にもこだわり、さらに牛たちが食べる飼料や牧草にもこだわり抜きます。
「牛乳を搾る前の段階を、どこまで突き詰めるかが重要なんだ。」
150haの敷地内で育てられる飼料や牧草がオーガニックなのはもちろん、1日に収穫する量も制限し良い状態のものだけを刈り取り、乳牛の健康管理のために与える飼料の内容、量、配合比率はすべてコンピューター管理。
出産前、出産直前、出産後によって乳牛が暮らし餌を食べる場所も変えていく徹底ぶりです。
すべては「1kgのパルミジャーノに濃縮される18kgの牛乳をどのようにするか」のためのこだわりであり努力です。
そんなニコラさんのパルミジャーノは、僕の中の長期熟成パルミジャーノの概念をも覆しました。
僕が感じる日本とイタリアにおけるパルミジャーノの嗜好の違いに関して、熟成年度があります。
日本ではなぜか長期熟成されたパルミジャーノの方が人気があり珍重されますが、イタリアでは「料理に使うなら長期熟成の方がいいけど、そのまま食べるなら若いもののほうがいい」という人の方が多かったように思います。
僕も、どちらかと言うと若いパルミジャーノの瑞々しい感じの方が好きで、たしかに長期熟成ものの濃厚な味わいは若いパルミジャーノにはないものですが、それよりも僕は長期熟成の枯れた感じがちょっと苦手だったりします。
枯れた感じ、というのは言葉を変えると食べた時に口の中が渇くと言いますか、思わずワインが欲しくなってしまうようなあの感じです。
その昔、仕事で毎日40kgホールのパルミジャーノを1kgにカットして真空パックしていた僕が、パルミジャーノに1番幸せを感じたのは大きなパルミジャーノが最初に2つに割れるときでした。
その瞬間、花のような果実のような香りが広がって本当に幸せな気分になるんです。
40kgのパルミジャーノの解体という重労働も、あの香りの前には辛さを感じませんでした。
あの香りがあるからこそ、パルミジャーノは「切り立てが1番美味しい」のだと僕は思っています。
さて、そこでこのベルティネッリのミッレジマート。
最初にサンプルでいただいたのは、「百貨店の催事の戻りで真空パックしてからちょっと時間経ってます」という最良とは言えないコンディションのものだったのですが、しかし。
真空パックを開けた瞬間に、僕の脳裏にあの40kgホールのパルミジャーノが2つに割れる光景が甦りました。
それぐらい、素晴らしい香りが広がったんです。
ちょっとドキドキしながら欠片を口にふくむと、さらなる驚きが待っていました。
「こんなに濃厚なのに、瑞々しい・・・・・・」
普通、ここまで濃厚なパルミジャーノは間違いなくもっと枯れていてこんなに瑞々しさを感じることはないので、それはまさに初めての経験でした。
そしてそれは、日本でホールからカットされたものだったことも大きな理由だと思います。
たとえば、同じベルティネッリのミッレジマートのパルミジャーノだったとしても、イタリアでカットされて真空パックされたものと日本でホールをカットして真空パックしたものでは、その風味の違いが歴然としています。
狂気とも言える生産者の情熱と努力の結晶を、最高の状態と出来る限りの低価格で日本のみなさまにお届けするために、インポーター自らが輸入したホールのパルミジャーノをカットして真空パックしてくれています。
また、日々パルミジャーノを解体していた僕の経験則からしても大手メーカーのパルミジャーノはその個体によって風味が違っていることが多かったのですが、ベルティネッリでは伝統的なパルミジャーノを木槌で叩いてその打刻音による空洞検査に加え、超音波装置による最新鋭の空洞検査を行った上でミッレジマートを出荷しているため、個体差が少なく品質が高い次元で保たれています。
このパルミジャーノに出会えたことに感謝するとともに、あらためてイタリアの奥深さを教えてもらったような気がします。
そして、このパルミジャーノが繋ぐ生産者とお客様の輪の中に、僕も入れることを本当にうれしく思います。
みなさまからどんなご感想をいただけるのか、今からワクワクがとまりません。
◇究極のパルミジャーノ、ミッレジマートはこちらからどうぞ
https://item.rakuten.co.jp/italiaya/c/0000000311/

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